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【鼻涙管閉塞について】

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涙やけの発生原因の1つ

涙やけはあるけど、眼を痛がっている様子もなければ、フードも特に変更していない
もしかしたら、その涙やけは「鼻涙管閉塞」が原因かもしれません!

鼻涙管閉塞はわんちゃんの涙やけの発生原因として、実はとても多い病気です
どんな病気なのか、原因は何か、治療法はあるのかなど

鼻涙管閉塞に関して重要なポイントをお伝えします!

鼻涙管閉塞ってなに?

涙の排出路が詰まった状態

涙は常に涙腺から分泌され、鼻涙管を通り鼻腔に排出されている
この涙の排出経路である鼻涙管が、先天的に狭かったり、詰まってしまう状態を鼻涙管閉塞と呼びます

  • 鼻涙管閉塞を疑うポイント
    • 先天的に鼻涙管が狭い場合は、年齢が若いうちから見られることが多い
    • 涙やけは両側もしくは片側だけに出ることも多い
    • 特に涙やけ以外に症状がないのが一般的

鼻涙管閉塞の原因

鼻涙管閉塞になってしまう原因は大きく2つあります!

  1. 鼻涙管が細い
    • トイプードルやマルチーズは、鼻涙管の構造自体が狭いといわれている
  2. 老廃物で詰まる
    • 眼の炎症や異物などの老廃物で詰まることも多い

水分不足も涙液量が減ることで、鼻涙管が詰まりやすくなる要因となる!

鼻涙管閉塞の検査

鼻涙管閉塞を確認する検査方法に、「フルオレセイン染色検査」があります

  • 検査のポイント
    • 染色液を目の表面に滴下して5分ほど待ち、 鼻から染色液が流れ出るかどうかを確認する
    • 鼻涙管が閉塞している場合は、鼻から流れ出ないことで診断する

鼻涙管閉塞の治療

鼻涙管洗浄

点眼麻酔や鎮静処置を行なった後に、涙点に細い管を挿入する
そこから生理食塩水をゆっくり注入し、鼻涙管の疎通を確認するとともに洗浄を行う

  • 鼻涙管洗浄のポイント
    • 洗浄しても閉塞してしまう原因によっては、数週間後にはまた閉塞することも多いのであらかじめ注意!

目の炎症の除去

異物や結膜炎などから生じた炎症産物による鼻涙管閉塞の場合は、
鼻涙管洗浄後に抗菌薬の内服や点眼治療を行って改善を図る

  • 目の炎症除去のポイント
    • アレルギーが原因の場合は、部屋の掃除やフードの変更で改善してくる場合もある

まとめ

鼻涙管閉塞は涙やけの大きな原因の1つ!

  1. 鼻涙管が閉塞してしまう理由は “構造的に狭い“や”老廃物で詰まる
  2. 点眼検査で染色液が通過しない場合、鼻涙管閉塞の可能性がある
  3. 治療である鼻涙管洗浄は、実施してもまた詰まることも多いのでよく獣医師と相談しよう